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檄、一刀両断

 

受難が続く百貨店〜三越の凋落から学ぶもの

格差社会突入といわれる中、購買層も高級志向と安物志向の二極化へとかなり進んできているようだ。
厚生省の所得再分配調査の統計を見ても、所得層のピークが年収1000万上の世帯と400万以下の
世帯にはっきりと分かれている。
消費指数を握る大手の百貨店は、そごう、ダイエーの相次ぐ失策破綻から、
その後の教訓として社内努力を重ねた結果なのだろうか、売上は概ね順調のようだ。
だが、その中で三井財閥から誕生し、高度成長期の三井グループの中核を成すとまで謳われた
老舗中の老舗である三越百貨店の業績落ち込みは相当深刻だ。
消費世帯層の格差が一層拡大している事に策を打つのが遅かったのか、昨年から主要店舗が
次々と閉店に追い込まれている。
実際店舗に足を運んで思ったのだが、 ブランド品の構成力等は他店の大手百貨店とは、
それほど差は無い。しかし他店に比べ、気のせいか建物の雰囲気が閉鎖的であり、
また自社商品の構成に若干の敷居の高さを感じるのだ。
店舗構成が購買層への焦点に狙いが定まっていない、という印象を受けるのは、
自分の視点がごく庶民的すぎるからだろうか。
しかし実際5期連続の減収という数字を見れば、あながち自分の観察眼も外れてはいないかもしれない。
百貨店の運営は至極難しい。競合他社との差異化と、消費者のニーズという難しいバランスを舵取りしなければならないからだ。
バブル期のような、本業を忘れて暴走する材料が整理された今、百貨店の本質が問われる経営をしなければ
生き残る事はできないだろう。
そして、どの業種にも当てはまる傾向なのだが、(ここ最近特に)主体性を欠いた企業や、
二匹目のドジョウを捕まえようとしている他力企業はほとんど容赦なく潰れている。
三匹目などはかくたるや、捕まえる場所すら見つからない、という状況だ。
たとえば、メーカーで働いている従業員が、自社の製品は買わずに、サンプルで満足してしまう会社等は
必ずといっていい程倒産、廃業に追い込まれている。
かつての日産も、技術を過信するあまり、デザインという「車のマスイメージ」をおろそかにした結果、
大幅に顧客を失い、凋落失墜の時代があった。
ビジネスは、アンテナを向ける方向を間違えたら終わりだ。それこそ向ける方向が内に向かってしまえば
レントゲン写真のように、悪い所しか見えなくなり、そればかりが気になって、出せるはずの活力をも
奪われてしまう。三越に限らず、経営者も従業員も、
今は常に前向きな心持で外に向かう術を鍛えねば、わたしたちの居場所は徐々に失われてしまうだろう。

J(2005/5/29)

 

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