(((秘))))業界裏話

 

■井上工業を食い潰した"闇の勢力"

警視庁組織犯罪対策部が井上工業の架空増資事件をめぐり、山口組系暴力団への金の流れを捜査している。
建設会社「井上工業」(群馬県高崎市)は08年10月に破産を申請、現在、破産手続き中。
井上工業は08年9月下旬、「アップル有限責任事業組合」(奥村英代表)を引受先として、約18億円の第三者割当増資を実施したと公表した。しかし、このうち約15億円は井上工業自らが捻出してアップルに貸しており、残り約3億円は前野森幸が役員を務める経営コンサルタント会社(山口組系関係会社)と金融ブローカーが1億5,000万円ずつ調達した。
増資で発行された新株1億5,000万株(時価18億円相当)の約半数は前野の会社などを通じて暴力団関係者に渡り、大量に売却された。売却益は少なくとも数億円とみられる。利益の一部は山口組系暴力団に渡ったようだ。
警視庁は昨年11月から井上工業の中村剛元社長や奥村らを金融商品取引法違反(偽計)容疑で相次いで逮捕した。ほかにも数人の金融ブローカーが関与したとみられる。経営コンサルタント会社の井筒雅信顧問も逮捕。
井上工業は架空増資を"闇の勢力"に頼った結果、自社資金や手数料を差し引くと約1億円を手にしただけだったという。同社は、増資の約3週間後の10月6日に破産手続きを申請した。

 

■戸塚ヨットスクールはどっこい生きていた

経営統合したが融和が進まない三越伊勢丹 東海テレビが1年間にわたり、戸塚ヨットスクールと戸塚宏校長を追った「平成ジレンマ〜戸塚ヨットスクールと若者漂流」は、昨年5月東海地区で放映されたあと、映画となり全国各地の映画館で上映された。東海テレビ報道部の斉藤潤一ディレクターが製作した。
さらに、今年8月18日〜28日、カナダのモントリオール世界映画祭・世界ドキュメンタリー部門に正式招待・ノミネートされた。作品の高い完成度が証明されたことになる。日本映画の最近の受賞作品は『おくりびと』(08年、滝田洋二郎)がグランプリ、昨年は『悪人』で深津絵里が最優秀女優賞。今年は長編部門に板尾創路監督の『月光の仮面』、塙幸成監督の『死にゆく妻との旅路』も上映される。
また今秋には、1983年戸塚ヨットスクール事件、校長逮捕により急遽上映中止に追い込まれた、伝説の封印映画『スパルタの海』が、10月29日(土)より、シアターN渋谷、他で、全国順次ロードショーが行われる。
1980年代、社会問題となっていた非行や登校拒否、家庭内暴力の子供たちに対し、厳しい訓練で再教育していた戸塚ヨットスクールは、マスコミ報道と世論に圧された形で社会から姿を消していたが、どっこい生きていた。
※戸塚ヨットスクール事件…一般児童・青少年向けのヨットスクール・戸塚ヨットスクールにおいて訓練生の死亡・傷害致死・行方不明といった事件が1980年代を通じてマスコミに取り上げられ、スクールの方針が教育的な体罰というより過酷な暴行だったことが明らかになった事件。

 

■インサイダーの村上世彰に追徴金11億円

最高裁の上告棄却によって村上世彰(51)の有罪が確定した。最高裁第一法廷の裁判官5人全員一致の決定。懲役2年、執行猶予3年、罰金300万円、追徴金11億4,900万円。「MACアセットマネジメント」に罰金2億円。
1審東京地裁判決は「プロによる悪質な犯罪」として懲役2年の実刑を選択したが、2審東京高裁判決は「実刑は重すぎる」と執行猶予3年としていた。
村上は99年投資顧問会社「MACアセットマネジメント」を設立、「村上ファンド」を率いる。「モノ言う株主」として経営者に次々と株主提案を突きつけた。
村上は04年11月、旧ライブドア側からニッポン放送株を5%以上買い集めるとのインサイダー情報を伝えられ、翌年1月までに約193万株を約99億5,000万円で買い付け、その後売却して多額の利益を得たと認定された。
村上は逮捕前にインサイダー取引を認めて謝罪したが、裁判では一貫して無罪を主張した。裁判官は公正さを重視したようだ。村上は経営者に株主価値の向上を迫るなど企業に緊張感を与えた。一方、「安ければ買う、高ければ売るのは当然」と金儲けのためにインサイダーに手を出した。事件によって新興企業やIT企業が証券取引市場で胡散臭そうに見られた。
インサイダー取引はその後も後を絶たない。昨年度は24件が証券取引等監視委員会に摘発された。

 

■富士薬品高柳前社長の不動産投機のツケ

置き薬業界最大手「富士薬品」(本社・さいたま市、高柳昌幸社長)は減収減益が続いている。09年3月連結は104億円の最終赤字に転落。
同社は1930年富山市で創業、置き薬がルーツ。高柳貞夫(前社長、個人筆頭株主)が83年社長に就任。富山市に工場を持ち、全国に約200の営業所を展開。低価格攻勢と厳しいノルマ営業で急成長を遂げ、配置薬業でトップに。また、ドラッグストア・調剤薬局を埼玉県中心に全国展開。連結売上高は2,700億円を越えた。
しかし、最近はネット販売業者という"強敵"が出現。ネット販売規制を画策しているという。
高柳前社長は"負の遺産"も残した。それは不動産投資の失敗で、息子の昌幸社長がその整理に取り組んでいる。
高柳前社長は不動産投機にのめり込んだ。それも曰く付きの不動産がほとんど。例えば、TSK・CCCターミナルビル(東京・六本木)の地上げに絡んで6億円を出した。
問題不動産に手を出したために広域暴力団の介入を招き、取引に関与していた杉浦理介専務が09年6月に自殺。現在も、同社には暴力団風の人物が出入りしているといわれ、闇社会との関係は続いているらしい。結局、不動産投資では200億円以上が焦げ付いたとみられている。

 

■借金漬けの森ビルが中国上場で資金調達?

森ビル(森稔社長)が借金漬けでアップアップ。有利子負債は6,000億円超。
森ビルはこれまで、アークヒルズ、六本木ヒルズ、上海環球金融中心など大規模プロジェクトを手がけてきた。さらに数十件の再開発プロジェクトを計画していたが、資金不足から相次いで延期になった。
新たな資金調達を始めた。今年2月には、総額130億円の無担保社債(金利1.62%)を発行。3月には森ヒルズリート投資法人(森ビルが設立母体のJリート)が公募増資(投資口6万7,000口)で102億1,000万円を取得した。いずれも無理な資金調達だった。
森社長は75歳と高齢で金繰りに苦しんでいるが、まだ膨張経営を続けるつもりのようだ。
森社長は昨年12月、社内に経営企画室を新設。専任メンバーは5人で、辻慎吾常務を担当役員に就けた。「辻は六本木ヒルズ、表参道ヒルズの開発にも大きな役割を果たした。新しい森ビルを考えてもらう中心なメンバーとなる資格は十分あると思う」と評価は高い。辻は「ポスト森稔」として期待されている。
拡大路線を続けるための当面必要な資金は、「環状2号線プロジェクト」で約900億円、「虎ノ門・六本木再開発」で約600億円など。先行き不安視される中で資金をどう調達するのか。未上場の森ビルは上海か香港で上場するのではないかとの観測がある。

 

■第一生命東証上場で大儲けする野村証券

第一生命保険は4月1日、相互会社から株式会社に転換。巨大な株式会社が誕生する。
東京証券取引所に上場する際の株式の売り出し価格は1株につき12万5,000〜15万5,000円の間で決める。時価総額は約1兆5,000億円超。株主数は約150万人で国内の上場企業で最多。
契約者821万人のうち約738万人に株式や現金総額8,000億円以上が割り当てられる。
1,000万株を発行。220万株を契約者に割り当て、710万株を売り出す。710万株の対象は、460万株は国内、そのうち約211万株は金融機関。残り249万株は海外投資家。
大型上場に対する期待は高い。株式市場や景気への波及効果はどうか。国内総生産(GDP)を最大3ポイント押し上げるという計算もある。
証券界は証券口座を新規に開設する個人株主の取り込みに躍気だが、上場主幹事を獲得した野村証券が有利で、ほとんど一手に引き受けるとみられる。
みずほフィナンシャルグループは840億円を出資して筆頭株主(5.6%)になる。「戦略的パートナーそしての出資」(みずほ)。
国内生保市場は縮小しており、株式会社になって経営の自由度を得た第一生命は、アジアなど海外進出やM&Aで生保事業拡大を狙うだろう。

 

■武富士を襲う相次ぐ資金繰り危機

消費者金融業界に逆風が吹いている。利息返還請求の急増、上限金利の引き下げ。さらに、改正貸金業法施行による総量規制(年収の3分の2を超える貸付の禁止)で、各社とも従来の顧客の半分以上に貸せなくなる。
資金調達でも苦戦。昨年秋ごろから銀行は貸金業者への融資を厳格化。金融危機に伴い社債やコマーシャルペーパー(CP)発行も難しい。
業界4位の「武富士」(清川昭社長)の場合、独立系で銀行の傘下に入っていないため安定した調達先がない。資金調達には苦労する。資金繰りのため、貸付金の回収を急いでいるようだ。
格下げリスクも大きい。今年6月のスタンダード&プアーズ(S&P)の格下げに続き、債権流動化商品(ABS)格下げによって、ABS残高約1,000億円の早期返済を求められるかもしれない。
2018年満期ユーロ円建てCBには3年ごとの繰上げ償還オプションがついており、社債権者が全額権利行使すれば700億円が必要となる。
あれやこれやで同社は、2010年6月までに1,500〜1,600億円を確保しなければならないという。有利子負債3,657億円を抱える同社にとって容易ではない。09年3月期連結決算は2,561億円の最終赤字。

 

■「勝ち組」日本経済新聞社が初の赤字転落

新聞業界の「勝ち組」といわれる「日本経済新聞社」(喜多恒雄社長)が09年6月中間連結決算で純損益は55億円の赤字となった(前年同期は59億円の黒字)。営業損益も8億5,000万円の赤字(同130億円の黒字)。売上高は1,586億円(前年同期比14.7%減)
新聞や雑誌の広告収入、インターネットの情報サービス収入が落ち込んだ。2009年12月期連結決算(来年3月発表)も赤字とみられる。
赤字決算の元凶は広告収入の急激な落ち込み。07年836億円→08年726億円→09年1〜3月は前年比4割も減った。
同社は黒字を死守しようと、経費節減に努めてきた。交際費、交通費の削減、人件費の抑制、設備投資の先送りなどケチケチ作戦を展開。一方、本体の利益確保のため関連会社に対しても株式配当をキッチリ上納させる。
09年以降新社屋の償却負担が始まる。今年4月完成した新東京本社ビル(東京・大手町)は地上31階の最新鋭ビルで、総工費500億円を投じた。
喜多社長は「他人様の会社の経営を云々する経済紙として赤字は出せない」と赤字回避の経費節減競争を社員に強いてきた。それは鉛筆、消しゴムなど文房具にまで及び、社内の士気は低下しつづけているとか。

 

■農水省は「ヤミ専従」責任追及及び腰

農林水産省の職員が無許可で組合活動に従事していた「ヤミ専従」問題はひどい。第三者委員会の報告書によると、全農林労働組合の幹部198人が国家公務員法で禁じられているヤミ専従をしていた。不当に支払われた給与は約25億円以上。
農水省は本人や上司ら計1,237人を処分すると発表した。常習者198人の処分は、停職1ヶ月が23人、減給が108人、戒告が67人と甘すぎる。関係者を背任や詐欺容疑で刑事告発するかどうかを検討している省法令順守委員会も及び腰。
農水省の職員でつくる全農林労働組合は霞ヶ関最強の労働組合で、ヤミ専従とは別に、地方幹部は労金、全労災などの役員を兼任して報酬を受け取っていた。これも違法。
本省事務次官以下すべての幹部が地方の出先機関とグルになってヤミ専従を黙認してきた。幹部は責任追及はやる気なし。

 

■豚肉差額の怪しい投資ファンド

怪しい投資ファンドが氾濫しているが、違法のきわみというべきなのが関税法違反を事業にして出資者を募り、配当を出すという闇世界のそれだ。
「事業」は大手商社や食肉販売会社が手を出した結果、逮捕者や巨額の罰金、追微課税される事件が後を立たない豚肉の差額関税違反。
日本の豚肉需要は右肩上がりだが、供給量の比率は輸入と国産がほぼ半々で推移している。輸入先はアメリカ、カナダ、メキシコ、オーストラリア、デンマークの5カ国。当然、国産より輸入価格は安い。そこで畜産農過保護のために、1kg525円を基準にして差額分を関税として微収する仕組みになっている。
そのため実際は輸入価格が300円でも525円で輸入したことにすれば、差額225円の関税を誤魔化せる。扱い高の多い大手商社や販売会社なら差額関税楽は年間数十億円にもなる。その仕組みを解説したうえで出資者を募り、1回の輸入で出資額の1割ずつ配当するという闇ファンドが存在する。
「その『事業案内』によれば、韓国に置かれた本社がカナダの輸出商社に発注、日本の支社が肉を受け取り、ダミー会社を通じて販売する仕組み。豚肉需要は増えこそすれ減らないから恒常的に事業展開し、出資者には末永く配当しましょうというわけです」(関西の食肉業界関係者)。

 

■小沢一郎の天下取りの"相棒"輿石東の正体
小沢一郎民主党代表代行の目標である自民党政権崩壊が近づきつつある。
小沢にとって民主党は自民党を潰すための踏み台にすぎないのかもしれない。
総選挙対策の責任者になった小沢は、選挙のカネと人を握り、候補者は小沢を頼るしかなく、民主党は小沢なしでは天下が取れない有様。
総選挙後、参院に次いで衆院でも小沢一派は"増殖"、小沢はキングメーカーとして国会に君臨するだろう。来年の参院選で、衆参合わせて小沢一派が120人に達すると見る人もいる。
小沢と輿石の親密な関係
天下取りを狙う小沢が民主党内で一番頼りにしているのが輿石東参院議員(73)。小沢は鳩山由紀夫代表よりも輿石を信用しているという。
輿石は民主党有数の実力者にのし上がった。現在、民主党代表代行、参院議員会長「次の内閣」(ネクストキャビネット)副総理大臣。鳩山内閣で文部科学大臣など政権の中枢に入ると予想する向きもある。
小沢とは18年前、小沢が自民党幹事長時代に知り合った。二人が急接近するのは、06年以降、小沢代表、輿石参院議員会長として。
利害は一致する。小沢は参院を足場に党内基盤を固めつつある。「参院のドン」といわれる輿石は利用価値が高い。
また、労組の地方組織を選挙の支持基盤として活用したい小沢にとって、日教組出身の輿石は頼りになる。
一方、輿石は小沢の力をバックに参院での自らの勢力を維持・拡大した。
輿石はこれまで、自民党との大連立構想の破綻(07年)や、西松建設に絡む違法献金事件(09年)などで窮地にたった小沢を擁護してきた。
民主党代表選(09年5月)では、小沢の鳩山支持に呼応して、得意の組織選挙を展開、参院民主党(109人)の7割を鳩山票で固めたという。
輿石の参院における権力基盤は鳩山体制下で強化され、参院で「内閣問責決議案」を7月13日、賛成多数で可決してしまった。
総選挙後、小沢=輿石コンビの蜜月はさらに深まるだろう。

日教組をバックにした「組織の人」
輿石は山梨県出身。県労働組合総連合会議長、県境職員組合執行委員長の経歴が示すように「組織の人」で、日教組傘下の山教組とともに生きてきた。今も、日教組の政治団体、日本民主教育政治連盟(日政連)会長を務めている。
政界入りしたのも日教組の組織内候補として。90年総選挙で初当選、衆院議員2期。96年落選。98年参院へ鞍替え。当選後、無所属から民主党入り。
04年7月の参院選で再選されたが、この時山教組問題が起こった。山教組と県政連が輿石支援のため、教員から組織的に選挙資金を集めていた。校長3万円、教頭2万円、一般教員1万円のカンパを要請。
輿石の選挙は山教組がバックアップ、輿石は山教組の組織を牛耳る。

 

■民主党政権誕生近しに脅え、事務次官の交代ラッシュ

「官僚たちの夏」が異例の早さで始まった。
「脱官僚政治」を掲げる民主党政権誕生近しに脅え、霞ヶ関の各省庁のトップである事務次官の交代ラッシュとなったのは、内閣府、法務、財務、文科、総務、環境、防衛、厚労の各省と警察庁で、人事を見送ったのが外務、農水、経産のわずか3省だけ。

部詠唱で親守屋派の復活目立つ
中でも今回の幹部人事で注目されるのが財務省の復権ぶりである。
旧大蔵支配への批判で始まった、財務省と金融庁の幹部人事で局長級について両省庁間の交流を制限する「ノーリターン・ルール」が今回あっさり破られ、大藤俊行・金融庁総括審議官(旧大蔵省77年入省)が関税局長として財務省に戻ることになった。
逆に大藤氏と同期の森本学・東京国税局長が金融庁に検査局長として送り込まれ、"次の次"の金融庁長官ポストを狙うことになりそうだ。
また、生え抜き組が3代続いた防衛事務次官ポストを増田好平時間(旧防衛庁75年)に代わって旧大蔵省の中江公人官房長(76年)が7年ぶりに奪還に成功した。
財務省は"将来の次官候補"として送り出した門間大吉官房審議官(旧大蔵省81年)が守屋武昌元防衛事務次官(旧防衛庁71年)による汚職事件を機に始まった"粛清人事"で昨年放逐された(現在財務省国際局審議官)。
しかし、防衛省内の人事抗争の間隙をぬって防衛省装備局長から官房長を射止めた中江氏が生え抜き組の強力なライバルもなく増田次官の公認に就くことになった。中江氏は防衛庁会計課長として出向時に守屋前次官と知己を得た"親守屋派"。
また"守屋側近"だったとして防衛政策局長から装備施設本部長に更迭されていた金澤博範氏(旧防衛庁77年)が中江氏後任の官房長に返り咲くなど、一連の粛清人事で人材難となった反動からか、親守屋派の復活が目立ってきた。

舛添パフォーマンスにブーイング
一方御難続きなのが厚労省。「ポスト麻生最有力」とのマスコミ事例に浮かれた舛添要一厚労相が内閣改造・党役員人事急浮上する中、6月26日突然江利川毅氏(旧厚労省70年)への事務次官交代を発表。しかも発令日は未定な上に、首相官邸の人事検討会議に諮る手続きも後回しというオマケ付きに相次ぐ舛添パフォーマンスに厚労官僚も食傷気味。
さらに医師免許を持つ「医系技官」の独占ポストだった医政局長に初めて事務官の阿曽沼慎司社長・援護局長(旧厚労省74年)を抜擢し、「大臣の前に聖域はありえない」と舛添氏ひとり悦に入り、省内からは「立つ鳥あとを濁す」のブーイングの大合唱。
そんな中で、息を潜めて幹部人事に踏み切ったのが法務省。西松建設違法献金捜査で抜き差しなら無くなった民主党の国会追及の矢面に立たされてきた大野恒太郎刑事局長(74年司法修習生)が事務次官に昇格し、後任には西川克行入国管理局長(77年司法修習生)が就いた。
刑事局長ポストはこれまで事務次官から検事総長への登竜門とされ、今回も当初は渡辺恵一東京高検次席検事が最有力候補だった。しかし、政治化との付き合いを毛嫌いする渡辺氏が刑事局長職を発令されれば辞職もやむなしとの頑なな姿勢に、人柄温厚の西川氏にお鉢が回ってきたという。

 

■日本興亜損保で兵頭社長降ろしのクーデター

損害保険大手の日本興亜損害保険(業界5位、兵頭誠社長)が内紛で揺れている。
同社は10年3月に損害保険ジャパン(業界2位)との経営統合を予定している。これについて、松沢建前社長ら元役員4人が4月、統合に反対する意見書を兵頭社長に送った。
株主総会(6月25日)では、株主として出席した松沢前社長は兵頭社長に対し、「なぜこの時期に統合を決めたのか」などと詰め寄った。兵頭社長はこれに反論、二人は激しく非難し合った。
松沢前社長は、損害ジャパンがサブプライム関連で多額の損失を出したことや、統合発表後に日本興亜の株価が下がったことを問題視している。
総会では兵頭社長の再任案が過半数の賛成で可決されたが、筆頭株主の米投資ファンド「サウスイースタン・アセット・マネジメント」(約17%)は昨年に続き、今年も兵頭社長の退任を要求した。
松沢前社長の「兵頭社長降ろし」は代理店や有力地銀を巻き込んで拡大。松沢前社長と関係が深いという松沢昭元常務は09年3月期決算操作疑惑を指摘した。損害保険金の支払いを先延ばしにして収益のかさ上げを図った疑い。
当時の幹部は「担当常務から自動車保険の保険金支払いを遅らせるよう指示を受けた」と証言したという。
意図的な支払い遅延は違法。
元常務は監査役が現経営陣の責任を追及しない場合は株主として株主代表訴訟を起こす構え。
損保ジャパンとの経営統合は株主の3分の2以上の賛成が必要。臨時株主総会(12月予定)で統合案をはかるが、今回同様、大荒れ必至と思われる。

統合反対で破談の可能性もある

松沢建は01年社長に就任、ワンマン経営を行ったが、損害保険金の大量不払い問題の発覚で07年に代表権のない会長に退き、08年会長も辞任。
07年4月社長に就任した兵頭は、08年後半から旧松沢派系役員外しを進めているという。
損保ジャパンとの経営統合は紆余曲折が予想される。破談リスクもある。
兵頭社長は「そもそも損保ジャパンとの統合は、松沢氏がかつて言い出し、進めてきたことでもある」と、統合に反対する松沢前社長を批判するが、松沢前社長は一方、東京海上(業界1位)の隅修三社長との接触を画策しているらしいとの噂。
臨時株主総会では、旧日本火災(前身)や地銀が統合に反対する可能性もある。
(敬称略)

 

 


もう裏じゃない表沙汰・・・